NEWS

JUST倶楽部勉強会発・講演会を開催しました_2022.8.30

Posted: 2022.09.01

 UMP-JUST会員企業の有志による勉強会「AIモデルの品質評価と改善」発案・企画による講演会を開催しました。

 東京大学の未来ビジョン研究センターより 江間 有沙 准教授及び 松本 敬史 客員研究員をお招きし、AI技術・サービスに関するガバナンスやその実践モデルについてご講演をいただき、その後JUST倶楽部勉強会メンバーとの討論が行われました。

 最初の講演では、江間 准教授よりAIガバナンスに関する世界的な現状について概説いただきました。原則の策定から実践フェーズにおける取り組みにおいて、国や企業その他さまざまな主体における取組の状況について、日本の事例も交えながら説明がありました。
 また、特に情報分野における日本の産業構造や日本における法的・社会的・文化的背景を踏まえてのAIガバナンスのあり方についても示唆をいただきました。

(左図:江間 准教授による講演の様子)

 続いて松本 客員研究員より、AI技術を用いたサービス提供における様々なリスク対応ついて検討するために同氏らによって開発・提案された実践的なフレームワーク「リスクチェーンモデル(Risk Chain Model: RCModel)」(※)について説明いただきました。
 (※)参考:AIサービスとリスクコーディネーション研究会 https://ifi.u-tokyo.ac.jp/projects/ai-service-and-risk-coordination/
 フレームワークの概要・実践方法とともに、フレームワークの運用におけるサービスの受益者・利用者を含めたステークホルダーとの対話の重要性や外部への説明に際しての有用性についても説明がありました。また、RCModelを用いてAI技術の社会実装について検討する、柏の葉における市民参加型ワークショップの事例についても紹介いただきました。

(左図:松本 客員研究員による講演の様子)

 その後のディスカッションでは、勉強会参加者を交え、各リスクの重み付けや定量化、各企業による個別のリスク対応事例の公開と秘匿のバランス、B to Bが連なったサプライチェーンにおけるリスクコントロールの難しさ等、様々な観点から質疑応答がなされました。また、リスクの洗い出し・評価・対応といった一連ののプロセスを継続的に実施していくことの重要性、同フレームワークを活用した事例の蓄積・公開の重要性と大学の役割、といった点について見解をいただき、実りの多い討論となりました。